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平昌オリンピック閉会式の入場順は?カナダラ順じゃないの?

      2019/03/11



平昌オリンピック閉会式の入場順は?カナダラ順じゃない?

平昌オリンピックの開幕式では、各国の選手団は、韓国語のハングル文字でのあいうえお順に当たる「カナダラ順」という順番で入場を行いました。
平昌オリンピック開会式での入場順についての記事はこちら

日本の選手団目当てにテレビ中継を見ていた場合、順番を知っておかないと、正直92カ国もの参加国の選手団入場をただぼーっと見ているのは苦痛です。
開会式では日本は62番目という遅めの順番だったため、途中で寝てしまったり、チャンネルを変えてしまって日本選手団の入場を見逃してしまった人も多いと思います。

では、平昌オリンピック閉会式(閉幕式)では、どのような順番で選手が入場してくるのでしょうか?
 

オリンピックの閉会式(閉幕式)での入場順は?

実はオリンピックの閉会式では、国別に整列しての入場はありません
各国の選手たちが入り乱れて、写真を撮ったり踊ったり肩を組んだりしながら、自由に入場します。

仲の良い選手同士などでなんとなく国ごとにまとまっての入場ではありますが、オリンピックが人種も国も宗教も越えて、人類が一つになって楽しむお祭りであることを実感させてくれる光景です。

しかし、オリンピック閉会式の入場方式は、初めからこうだったわけではありません。
このようにお祭りのような閉会式の入場になったのは、1964年の東京オリンピックが最初だと言われているのです。

 

現在のようなオリンピック閉会式入場になったのは東京オリンピックがきっかけ?

オリンピック閉会式で、選手たちが思い思いに楽しみながら自由に入場するようになったのは、1964年の東京オリンピックがきっかけだと言われています。

国別でない入場は1956年のオーストラリアのメルボルンオリンピックが最初だと言われていますが、メルボルンオリンピックの閉会式では、整列し整然と行進しての入場だったようです。

それが、1964年の東京オリンピックの閉会式では、選手たちは国別に分かれることも整列することもなく、肩車をしたりカメラに手を振ったりしながら自由に入場してきました。
1964年の東京オリンピック閉会式入場での光景は、人種や宗教や国籍を越えて人類が一つになったかのような、まさに現在のオリンピック閉会式の入場形式に近いものでした。

この光景は、市川崑監督のドキュメンタリー映画である「東京オリンピック」のDVDなどで見ることができます。

この作品の中で実況アナウンサーが、

「オリンピック始まって以来、この東京大会のような閉会式がかつてあったでありましょうか。
あの秩序正しく華麗であった開会式も素晴らしかった。
だが今、今夜ここに繰り広げられた、国境を忘れ人種を忘れ、混然と一体になってただ同じ人間として笑い親しみ別れを惜しむ人々の群れ。
素晴らしい、ただ素晴らしいとしか言いようのない、わけもなく涙がにじんでくるような瞬間であります。
世界の平和とは、人類の平和とはこんなものであろうと、胸の熱くなるような瞬間であります。
さようなら、さようなら、お元気で。
あなたも私も、いつかまたお目にかかりましょう。
その時まで、お元気で。」

と述べるシーンは、今見ても目頭が熱くなるものがあります。

この東京オリンピック閉会式での感動的な光景を見た関係者が、「平和の祭典にふさわしい」として、それ以降のオリンピックでもこの入場方法が採用されるようになりました。
では、きっかけとなった東京オリンピックでは、なぜこのような入場方法となったのでしょうか?
 

なぜ東京オリンピックではお祭りのような閉会式入場になったのか

東京オリンピックで、整列することなく各国選手が入り乱れて自由に楽しみながら入場したことは、実は運営が意図したことではありませんでした。

東京オリンピックのプログラムでは、
「選手は国籍の別なく所定の縦列で行進する。」
となっていたのですが、選手たちが係員の指示に従わずに会場になだれ込んだことで、自由で賑やかな入場になったと言われています。

このことは毎日放送の「林先生の初耳学」という番組でも取り上げられました。
選手たちがその様な行動に出た理由としては、東京オリンピック開会式の時点ではイギリスの保護領だった北ローデシアが、閉会式当日にザンビア共和国として独立したことでお祭り騒ぎになったという説や、一部の選手がお酒を飲んでテンションが上がっていたためコントロールできなかったという説などがあります。

ある意味偶然の産物である東京オリンピックでの閉会式入場方法が、現在のオリンピックまで引き継がれているというのは大変興味深い話です。
 

平昌オリンピックの閉会式入場はどうなる?

リオオリンピックでもロンドンオリンピックでも、このメルボルンオリンピックや東京オリンピックから続いている、国別でないお祭りのような入場で閉会式が行われました。
特に国別の席順や位置もなく、入ってきた順に係員に誘導され、セレモニーを見る場所へと移動していきました。

平昌オリンピックの閉会式でも、まずは各国の国旗を持った旗手だけ整列して先に入場し、あとから選手たちが踊ったり写真を撮ったりして思い思いに楽しみながら入場することと思われます。

もし閉会式の入場でお目当ての選手を見つけたい場合は、衣装国旗を目印にしましょう。
同じ国の選手はたいてい同じ衣装を着ています。
また、手に国旗を持ったり、国旗の入ったタオルなどのグッズを掲げる選手も多いです。
日本人選手なら日の丸を目印にすると探しやすいでしょう。

国別ではないとはいえ、入場前にはいったん国ごとに集合している場合が多いでしょうし、仲のいい選手同士などで話したり撮影し合いながら入ってくるので、同じ国の選手でひとまとまりになっていることが多いです。
国旗や顔で目当ての選手の国の衣装が分かったら、その衣装を着た集団を見つけましょう。

お目当ての選手を見つけることができなくても、全力で競い合った選手たちがお互いをたたえ合い、親しみ合う姿を見ると、とても清々しい気持ちになることができます。

平昌オリンピックの閉会式は25日(日)に韓国の平昌オリンピックスタジアムで行われます。
どんな閉会式になるのか、楽しみに待ちましょう!