茶師の小林裕さんおすすめの日本茶と茶師になる方法
近年、外国人観光客数は右肩上がりで、2017年の訪日外国人観光客数は2869万人となりました。
それに伴い日本独特の文化が世界中から注目されるとともに、日本人の間でも「世界に通用する日本の文化は何なのか」という意識が高まってきています。
そんな中、特に最近注目され、見直されている日本文化が「日本茶」です。
日本茶は、外国人観光客が日本で楽しみたいこと、または日本土産として買っていきたいものの上位に必ずランクインしています。
日本人にとっては生活の一部になっていて特に大注目されることは少ない日本茶が、増加の一途をたどる外国人観光客のおかげで、日本人の間でも再びブームとなっているのです。
この記事では、日本に13人しかいない茶師十段位である小林裕さんと、小林裕さんが代表取締役を務める「祥玉園」のことをご紹介するとともに、おすすめの日本茶もご紹介しています。
3分もかからずに読めますので、日本茶に興味をお持ちの方は、一度目を通していただけると嬉しいです。
目次(もくじ)
茶師とは?そして茶師十段位の小林裕さんとは?
おすすめの日本茶を選ぶ際に欠かせないのが、「茶師」の存在です。
茶師の仕事内容は、「茶葉の選定と合組(ごうぐみ)」です。
合組とはブレンドや調合のこと。
つまり、良質な茶葉を選んで、それらが美味しいお茶になるように組み合わせるお仕事です。
日本茶版の、コーヒーのバリスタやワインのソムリエと近いかもしれません。
茶師は、各々の特徴がある茶葉を、多い日には一日に数百種類も審査し、選抜した茶葉を仕入れて合組します。
茶師はそれらの茶葉同士をブレンドしたらどういう味のお茶ができあがるのかを、頭の中で鮮明にイメージすることができます。
「多くの人に喜ばれる味」「特定の食材にマッチする味」などなど、目標とする日本茶の味を思い描き、できる限りそれに近づけるように、気の遠くなるような選定と合組の作業を繰り返すのです。
そんなまさに日本茶のプロである茶師の中にも、段位(ランク)があり、最高段位の茶師十段位の称号を持つ人はたったの13人しかいません。
その中の一人が、小林裕さんです。
以下のインタビュー動画を見ていただけると、少し小林裕さんのことがお分かりいただけるかと思います。
小林裕さんは宇治茶の茶師としては唯一の茶師十段位を持つ茶師で、祥玉園という創業180年にもなる京都の製茶会社の代表取締役でもあります。
小林裕さん監修のお茶の中で、最も有名なのが、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の昼食会でも披露された、玉露と碾茶をブレンドした高級茶「玉碾(ぎょくてん)」です。
伊勢志摩サミットで世界各国の首脳が飲んだと聞くと、大変興味がわく方も多いと思います。
では次に、サミットで提供された玉碾も含めて、おすすめの日本茶をご紹介します。
小林裕さんもおすすめの日本茶
玉露「玉露祥玉(ぎょくろしょうぎょく)」
玉露というお茶は聞いたことがある方も多いと思います。
玉露は日本茶の一種で、玉露の原料となる茶葉は収穫前にわざと日光を遮ってから収穫されます。
日光を遮ることによって、旨味成分が増加し、渋みの原因となる成分が減少するのです。
特徴的な香りの、古い歴史がある日本茶です。
茶師十段位の小林裕さんが代表取締役を務める祥玉園でももちろん玉露を取り扱っていて、通販での購入が可能です。
祥玉園では玉露の中でもたくさんの種類がありますが、特上玉露の「玉露祥玉(ぎょくろしょうぎょく)」が特におすすめです。
抹茶「鶴雲(かくうん)」
抹茶(まっちゃ)は、緑茶の一種で、碾茶(てんちゃ)を粉末にしたものです。
碾茶は中国茶の甜茶とは別物です。
玉露と同じように、渋味を抑え、旨味を増すために収穫前に日光を遮ります。
玉露と大きく違う点は、生葉を揉む工程がない点です。
製造工程が異なるため、玉露とは全く違う味わいがあります。
抹茶の中で、茶師の小林裕さんもおすすめするのが、「鶴雲(かくうん)」という抹茶です。
こちらも祥玉園のサイトから通販購入することができます。
40g缶なら3000円で買うことができるので、美味しいお茶を探している方のお試しにぴったりです。
煎茶・八媛みどり「薫」
煎茶は、日光を遮らずに栽培された新芽で製造されたお茶です。
煎茶の中でもオススメである、八媛みどり「薫」は、古賀製茶本舗さんが製造販売している煎茶です。
福岡県の星野村や上陽町、黒木町などの八女茶の名産地から仕入れた上質な茶葉を鮮度高く焙煎した、味、香り、色のバランスの良い煎茶とのこと。
こちらの煎茶は古賀製茶本舗さんのホームページから購入することができます。
100g1080円とリーズナブルでありながら、選び抜かれた最高級ランクの八女煎茶を堪能することができます。
伊勢志摩サミットで各国首脳に出された「玉碾」
伊勢志摩サミットで各国首脳に出された、茶師十段位の小林裕さんオリジナルの日本茶です。
京都府京田辺市特産の玉露と碾茶がブレンドされています。
日本茶・緑茶が好きな方は、人生で一度は飲んでみたいお茶だと思います。
玉碾は祥玉園のサイトでは取り扱いがありませんが、下記のサイトから購入可能なようです。
各国首脳が堪能した小林裕さんオリジナルの最高級緑茶を、ぜひ一度は飲んでみてください。
茶師になるにはどうすればいいの?
さて、ここまでこの日本茶に関しての記事をお読みいただいた熱心な方の中には、「自分も茶師になってみたい」「茶師ってどうやったらなれるの?」と疑問に思った方もいらっしゃると思います。
まずは、茶師のお仕事について小林裕さんが話している動画をご覧ください。
茶師は本来的な意味ではお茶を製造・販売する人のことなので、お茶づくりに携わればそれでもう茶師と呼べるのですが、皆さんが想像しているのは、小林裕さんのような日本茶鑑定士にも認定されるような茶師のことだと思います。
そういった茶師になるには、既に述べた通り、「茶葉の選定と合組(ごうぐみ)」の技術を高め、その技術を認められる必要があります。
茶師を目指すには、茶畑農家や日本茶の製造メーカーなどに勤めて経験を積んだ上で、「茶業青年団」に入団する必要があります。
小林裕さんのように茶師の段位を取得するには、茶審査技術競技大会に出場して実力を認められなければなりませんが、その茶審査技術競技大会には一般人は参加することができません。
茶業に携わる人で、特に茶業青年団に所属している人に参加資格が与えられるようです。
簡単な道のりではなさそうですが、小林裕さんのような茶師になりたい方は、茶師になる一つの方法として参考になさってください。
茶審査技術競技大会の審査内容
例として、第59回の全国茶審査技術競技大会の競技内容は以下の通りとなっています。
第一審査:浸出による茶品種鑑別競技
茶の品種(ゆたかみどり・おくみどり・さえみどり・やぶきた・おくゆたか・めいりょく・あさのかの中から5種類)を判定する。
第二審査:外観による生産茶期別判定競技
生産茶期5種類(1・2・3番茶を各1種類、他にいずれか2種類)を外観から判定する。
第三審査:外観による生産地判定競技
各都府県の茶業青年団から提出された10種類の煎茶の外観から生産地を判定する。
第四審査:外観による生産地判定競技
5種類の煎出液から産地茶(5箇所)を判定する。
団体の部と個人の部があり、上記のような厳しい競技の末に、個人の部で成績優秀と認められた人に、評価基準に沿って茶審査技術競技大会の得点に応じた段位が与えられます。
さらに、年齢制限もあるようですし、研修も必要となるようです。
ここまでお読みいただいて、小林裕さんの持つ世界で13人しか持っていない「茶師十段位」のすごさをお分かりいただけたかと思います。
以上、茶師についてとトップ茶師もおすすめの日本茶のまとめでした。
日本茶は日本人のソウルドリンクです。
自分好みの美味しいお茶を見つけて、人生に彩を加えましょう。